初めてワインを飲んだ時、その奥深く豊かな味わいに心を奪われました。ただの飲み物とは異なる、特別な体験。それ以来、ワインの世界に引き込まれて様々な国や地域、ぶどう品種のワインを試すようになりました。
その中でも、ナチュラルワインは料理との相性が良く"フードフレンドリー"な存在だと気づきました。食卓を豊かにし、料理の味をより引き立ててくれる不思議な魅力があります。また、ワインは人と人を繋ぐ豊かなアイテムです。ナチュラルワインを片手に、毎日の出来事や感謝の気持ち、ワインの味わいを語り合うことで普段伝えきれないコミュニケーションや愛情表現がスッと伝わりやすくなるのです。
ナチュラルワインは作り手のメッセージが込められていることも多く、気持ちを伝えるアイテムとしてもプレゼントにぴったりだと考えています。

私には、新潟県佐渡島を故郷にもつ父親がいます。幼い頃から都市部で生活していた私には、お正月とお盆に佐渡島に行くことが楽しみの一つでもありました。
家の前の畑には、祖父母が育てたお米、野菜、果物、花が常にあり、それが佐渡島の日常の風景でした。
冬には、収穫したお米から作った手作りのお餅があり、ヨモギや栃の実を使って草餅や栃餅にしたりと、お餅のバリエーションも豊富でした。
夏には、畑に大きな茄子やトマト、きゅうりが実っていて、夕方にもいだものが夕食に出てきていました。
私が扇風機に当たって日陰でお昼寝している暑い時間帯でも、畑で草むしりをしている祖母や叔父叔母を見て、"農家さんってすごいな"と心から感じていたし、そして"ありがたいな"という強い気持ちを感じていたのを覚えています。
私は、佐渡島のあの自然豊かな香りや風、葉っぱの擦れるサラサラという音や小川の音が大好きでした。

ナチュラルワインの輸入をするにあたり、イタリアの土地を選んだのには、学生の時の私の記憶に強く影響を受けています。
イタリアの小規模ワイナリーは私が小さい頃から見てきた日本の農家さんに似ていると感じていました。
イタリアのその地域に根付いている土着品種を使用していることも多く、自分が出したい味を追求したり、ぶどうに対する考え方も人それぞれです。それによって、その土地特有の味わいやこだわりがふんだんに詰まったナチュラルワインが出来上がります。
イタリアは全20州すべてでワインが造られており、古代ギリシャ人から「ワインの大地」とたたえられてきました。地形や気候、土壌、栽培方法、歴史や文化が州ごとに異なり、それぞれの地域が独自のワイン文化を育んでいます。この多様性こそが、イタリアワインの最大の魅力です。日本同様に、自然と歴史、人の情熱が凝縮されているのがイタリアのナチュラルワインということです。

FERTUMでは、イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州とマルケ州の土地から、クラシックワインとナチュラルワインのどちらのニュアンスも持ち合わせている素晴らしいワインをお届けしています。心と体に優しく寄り添う、個性豊かで上品な上質のワインです。そんな特別なワインをぜひじっくり味わっていただきたいです。
FERTUMの一杯から、人生にそっと寄り添う特別な一瞬 「後日にまで残る高揚」 を感じてみてください